サロン・ド銀舎利

言えぬなら記してしまえとりあえず

暮らす力がありあまる

故あってレオパレスに4ヶ月暮らすことになった。只今、3週目。

レオパレスは4年ぶり2度目なのだが、前回は短期間ということもあり、かなりミニマルな暮らしをしていた。まず調理はしない前提で道具を持って行かなかった。DVDプレイヤーやお気に入りの装飾品もいっさい持たず、ほぼ洋服と洗面用具のみをダンボール2箱に詰め、極めて身軽な生活を送った。

その結果何が起こったかというと、激しく苦しいホームシックである。

やはり、食と住を蔑ろにしては、人間らしい生活はできないのだ。

 

前回の反省を生かし、沢山のダンボールにぎゅうぎゅう詰め込んだ名画の絵ハガキコレクション、猫のぬいぐるみ、羽毛のクッション、ラッセルホブスの電気ケトル、マリクレールのホーロー鍋、しゃべるロボット掃除機、PerfumeのライブDVD、無印良品のアロマディフューザー。それらが無くてもわたしは息をして脈をうって生きていけるけど、屋根と壁があればそれを家と呼ぶならば、わたしの仕事も生活もどんなに味気ないものになってしまうだろう。医者の不養生とはいうけれど、ものづくりをする人間が自分の身の回りのものに無頓着ではつまらない。

 

配線を隠すためのモールを壁に貼りながら、フローリングの廊下にタイルカーペットを敷きながら、そんなことを考えた。

ピカソの大きな顔、シャガールのパリの花嫁、モネのバラ色のボート、東山魁夷の白い馬、ダリの焼いたベーコン、あと3ヶ月半よろしくね。