サロン・ド銀舎利

言えぬなら記してしまえとりあえず

2015-11-01から1ヶ月間の記事一覧

伝家の宝刀・無難相槌

えらい人が行くべき会合に、えらくないわたしと横の部署のえらくないAとで参加することになった。 わたしはこの会社ではこれからも絶対えらくなれないことがわかっている。わがままだからだ。なので、今回のえらい人の会は物見遊山的に無責任に楽しみにして…

難しいなにかと雨の日曜日

フロントガラスが滲む。外はあんなに明るいのに。 わたしの目にはどうしてワイパーがついてないのだろう。 大声で木村カエラのヒット曲を歌いながら日曜の湘南の海へ一人ドライブ、仕事に向かうのだ。 9月に入る頃には、もうすっかりわたしのメインコンピュ…

深い海から見上げた色は

「トイレ行ってきます!」と彼女は言ったのだ。 瞳は丸く、顎が小さい。細いくせ毛がかった髪は前髪もアップにし、形の良いたまご型の輪郭には薄化粧をしている。胴は薄いが肩はしっかり幅があり、洋服を着せるためのハンガーのような華奢な体は普段のカジュ…

11月を忘れない

11月がきらい。 初雪は溶け、根雪になる最初の雪が振りそうで振らない時期、朝晩の冷え込みは一層増し、街路樹は裸になり、交差点はよそよそしく黙りこむ。見知らぬお客が我が家に忍び込み、家族を連れて遠く彼岸へ行ってしまう。 祖母が亡くなって丸7年、愛…

素敵になった夜と旅

今週のお題「今年買って良かったモノ」 ロボット掃除機とタブレット端末 わたしにはすてきな友だちがいる。今は遠くに住んでいるが、高校の時からずっと憧れの女性だ。営業のプロだ。営業のプロということは人から憧れられる、信頼される、好かれるプロだ。 …

世界をうまく考えられない

辺境の島国で生まれ育ったわたしには、世界のことをうまく考えられない。ユーラシア大陸とアフリカ大陸北部を中心とした1万年程度の歴史の流れは知識として知っているが、太平洋がそこに登場するのはせいぜい最後の250年だ。 辺境の島国のさらに辺境の島で生…

けんせつ小町、だれのこと?

女でもなれる何かになりたいと思いたかったが思えなかった。 ふつうだと女にはなれないはずの何かになってしまった。そういうものに近頃世間は「◯◯女子」というラベルを貼るそうな。 大学の進路指導の担当は、男子はゼネコンへいけ、女子は公務員になれと言…

愛想よく出来ない晩もあるんです

一人でラーメン食ってたら知らん奴に絡まれた! 言い換えると、一人でラーメン屋で夕飯を食べていたらわたしの後に入店し、隣の席に座った初老の男性に何度も話しかけられた。 わたしは人見知りである。この、パッケージ化された「人見知り」という言葉を分…

さよならで自由になれることもある

仕入先を変えようとしている。 同じメーカーの別の支店経由にしようとしている。 メーカーの担当者は50代男性、これまでそんなに結果にこだわって仕事をしてこなかったのでうちみたいな弱小会社の担当をやらされているのだと思う。 その担当者がミスをした。…

かさぶたを白く覆った雪ダルマ

更新前の古いバージョンの自分に引き戻される苦行、それが同窓会だ。 大勢が集まれば、当時の振る舞いを期待される。それは明言されるようなものではないが、おもむろにさされた指先の方向を無意識に向いてしまうような感覚で自然に促される。苦い挫折をいく…

私の変わったこと、変わらないこと

「4年間で変わったこと、変わらないこと」 11月末で今の仕事を本格的にはじめて丸4年になる。 仕事内容については詳しくは書けないが、おおまかに業界で言えば通信という分類になるのだろうが、その中でほんとうに枝葉の設計の真似事のようなことを生業とし…

特別扱いしてやらん

体の特定の部位を神格化しないぞ運動。 みんな生殖器にかまいすぎだと思う。なんか、おれたちこんなに色々バラエティ豊かな器官を持って生まれてるのに、「東京はおれたちの風俗だー」とか「子宫あっためろ」とか、うるさいよってこと。調子にのるなよ!だい…

かっこいい文具といえばドイツでしょ

今週のお題「愛用しているもの」 0.5mmのHBのシャープペンを使っている人は今すぐ0.7mmに買い替えて、Bか2Bにしなさいよ。 ステッドラーのシャープペン0.7mm ドイツのブランドですが、日本製です。タイトル詐欺です。 ステッドラー シャープペン シルバーシ…

不条理と頭上に広がる無彩色

ここは最低限日本人が読んで意味の通る文章で、言葉に余剰物を巻き込まぬように用心して綴っている。つもりだ。 ただ、日本人一般の脳の作りと、自分のそれがかけ離れているのは30余年かけてうっすらわかってきているので、用心して綴ったものがねらい通り読…