サロン・ド銀舎利

言えぬなら記してしまえとりあえず

2ヶ月と1週間経った。

今やりたいのは、2時間くらい集中して6品くらい手の込んだ料理を作ること。今は10分×4セットくらいで毎日3品簡単なものを作るのが限界。夕方は赤子ギャン泣きタイムなので、昼過ぎくらいまでの赤子スヤスヤタイムに洗濯×2と、台所掃除、買い物(ネットスーパー)、夕飯の段取りを終えなければその後の展開がストレスフルになってくる。何も毎日料理しなくてもいいじゃないかとも思うのだが、料理はわたしの生活に残された最後のクリエイティブな作業なので、出来る限りやりたいのだ。あんまりこだわってないとはいえ、バランスのよい食事が母乳の出に関わるという要素もあるしな。

授乳とかおしっこのオムツ替えは赤子の様子を観察するという名分もあるのだが、基本的にはルーチン作業で、1日6〜8回のミルトン消毒とか、1日1回のミルトン水換えとか、凄まじい苦手意識を持ちながらめちゃくちゃつまらなそうにやっている。うんこのオムツ替えとかの方がハプニングがあったりしてよい。授乳は単純に乳首がヒリヒリ痛くて嫌いだ。歯が生えてきたら早々に断乳してミルク一本にしたい。乳首のケアも搾乳も乳腺炎も一通り経験した上で思うのは、根性は有限だということだ。わたしは睡眠時間と乳首の皮膚を削って母乳を増やすことよりも毎日を機嫌よく過ごしながら赤子に接するところに根性を使う方針でやっている。まあ、赤子が乳を吸っている姿はハムスターみたいで面白かわいいので、痛くない時はなるべく吸わせているのだが。

 

1日の大半の時間はソファにいて赤子を抱っこしている。授乳時だいたい1時間と、夕方から夜にかけての不機嫌タイムはずっとなので、多分12時間は抱っこしているか体の上にのせている。ここまで濃密にかまっているにもかかわらず将来こいつが情緒不安定な人間に育ってしまうならもう、人間というシステム自体が欠陥品だ。人間には人間をうまく育てられない。諦めて、ロボットに子守をさせよう。今のところ、我が家は一人っ子でじゅうぶんかなと思っている。少なくともこのワンオペ環境下では。

 

とまあ、いろいろ大変な状況ではあるのだが、今後は改善していく希望があるので精神状態は安定している。そもそもわたしの情緒が不安定になる時というのは、出口の無さを感じる時である。ここ数年は、いつまでも結婚してくれない遠方のパートナーとの関係や、チームの戦力には不釣り合いな質と量の仕事、そこはかとない体調不良など、心をクサクサさせるに余りある環境であったのは間違いない。それが、今年は2月の妊娠発覚によるスピード結婚からの引越し及び同居、チームの増員やメンバーの成長など、あれよあれよという間に改善されてゆき、未来の見通しがやっと開けた一年であった。子供が出来たことで明確に閉ざされた道もあるが、それはすっぱり手放してすっきりした。ここから10年くらいは子供最優先で、仕事はまあボチボチ、むしろ子供と一緒に学びに力を入れられればいい。