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サロン・ド銀舎利

言えぬなら記してしまえとりあえず

みだりに報告

妊娠した。

「わたしは、すぐ出来るような気がする」と、以前誰かに言ったことがあったが、本当にすぐだった。あまりにすぐ過ぎて何の準備もできていないのだが、どうやら腹の子は待ってはくれないそうなので、明日病院へ行くことにした。まずはそいつが生きてるのかどうか確認せねばならない。

どうやら安定期とやらに入るまでは予断を許さないそうなので、みだりに周囲に報告するものではないそうだ。よってここで匿名でみだりに全世界に報告してみようと思う。

いや、そもそもわたしは結婚していないので、いきなり様々な何かをすっ飛ばされて妊娠だけ報告されても周囲も「お、おう……」としか言えないだろう。

 

高校の家庭科の教科書や生命保険のパンフレットにはライフプランなんてインチキがデカデカと掲げられている。とんまなわたしは当然それが自分にも適用され、プランどおりにライフが送れると無邪気に信じていたが、残念ながらわたしのライフはそんなに都合の良いものではなかった。あのプランは、夏休みの1日を円グラフに書いた配分どおりに過ごせるタイプの人向けで、終業式の日に両手に抱えきれない荷物を持ち帰る羽目になり挙句夏休みの宿題など最終的には提出せずに押し切るタイプの人間向きではないのだ。

 

今回もわたしはあの終業式のような絶望感の中、火事場のフルパワーで押し切ることになるようだ。できれば、あの時できなかった、家の近い子に少し持ってもらうコマンドを使えればよいのだが、いかんせん、いま隣にいる子も自分の荷物に四苦八苦していて冷や汗がでる。

すまん、腹の中の人よ、残念ながら父も母も平均よりはかなりポンコツで、故にきみの序盤戦はかなりハードなものになるだろう。だが、世界は美しく、未来は輝かしいので、無事日の目を見た暁には四苦八苦しながらほんの20年くらいの間はまあ一緒に楽しく過ごしましょう。