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サロン・ド銀舎利

言えぬなら記してしまえとりあえず

年に一度のお楽しみ

年に一度、3日間だけ、最高の贅沢をする。

野外フェスに行くのだ。

 

経済的にも精神的にも大人の女友達と連れだって、思い思いに音楽とキャンプとお酒を楽しむ。

暑くなれば木陰で休み、雨が降ればカッパをかぶる。雲の流れや星の瞬きを見上げ、虫たちの声に耳をすます。

美味しいご飯をお腹いっぱい食べ、足が棒になるまで歩き、腕がちぎれるほど手を振り、声が枯れるまで歓声を上げる。

ここでは何一つ我慢しなくていい。

太陽と月が追いかけっこをしながら、夢の様な時間が流れる。

 

パンクのスターは愛と平和を語り、ファンクの職人は命のこもった1音を鳴らし、テクノのDJは人を踊らす魔法をつかい、ポップのアイドルは狂信者を増やす。わたしたちはただ彼らの言葉に感動し、ハーモニーに涙を流し、ビートに身を委ね、魅力に溺れていればよい。

ただの生き物になるだけだ。

 

音楽のない人生を牛肉なしのスキヤキに例えたちょっと怖そうなおじさんがいたけれど、豚肉や鶏肉のスキヤキだってそりゃああるさ。

でも、わたしはどちらかといえば、年に一度、こってこてに霜が降った牛すきが食べたいのさ。出来れば辛口のお酒と一緒にね。