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サロン・ド銀舎利

言えぬなら記してしまえとりあえず

そんな説明、受けてない!

鼻の穴の奥が狭いなんて聞いてない。生まれた時にそんな説明なかったぞ!

張り切って朝一で消化器の検査を予約したオイラ。有給も申請し、昨日のうちに休む段取りも万端。いったい何の病気が待ち受けているんだろう?ワクワクすっぞ!
というわけで、いつも通りギリギリまで二度寝三度寝を繰り返し、限りなくノーメイクに近い化粧をし、持ってる洋服の中で一番ゆったりしたものを着て近所の胃腸科へ。診察開始前だったので職員の談笑が聞こえてきた。程なくして一番に呼ばれ検査室へ。
意気揚々と入ったものの、鼻に入れる麻酔を誤嚥して盛大にむせるという鈍臭さを発揮し看護師を困惑させるところから雲行きが怪しくなり、わたしの不安は膨らんでいった。
いやだって、鼻から入った液体の処理とか、普段しないじゃないですかあ。しょうがないよ!わたし精神疾患ある人だからしょうがないよ!初めてのことだもん、しょうがないよ!ドンマイドンマイ☆という諦めと言い訳で自分を励ました。看護師さんは早く次の工程に行きたそうにしてたので、空気読んでがんばりました。

胃カメラの前にお腹にエコーをコロコロ。ほらー!なんか写ってるー!!ぜったいなんか写ってる!
うわぁぜったいなんか写ってると思いつつ、頭の位置を移しメインイベントの胃カメラへ。もう、アドレナリンがドバドバで不安感は最高潮ですよ。麻酔が不味いのがじわじわダメージを与えてくる。わたしは脳がアンバランスなため、味覚と嗅覚が比較的過敏にできているのだ。生まれる時にはそんな説明なかったけど。

カメラの先が差し込まれ、鼻の奥で逡巡した後、一度引き抜かれ、信じられない事態に。「鼻の奥が狭くて、鼻血が出るかもしれないので口にしますね〜」

何ということでしょう。鼻は楽だということだからここの病院にかかったのに。あんなにむせながら鼻麻酔したのに。全ての段取りが水の泡である。
わたしの普段の仕事はあらゆる可能性に備えて段取りする類のものなので、経験を積むに連れ年々、想定外のことはあまり起こらないようになってきた。知らず知らずのうちに、自分の中の「びっくり耐性」が弱くなっていたように思う。

そして、何の心の準備もないままマウスピースをねじ込まれカメラは口の中へ。
もう、釣り上げられた魚のように全身が跳ね上がりましたよ。どんな感じかというと、口からカメラを入れられてる感じって、そのままなんですけど、ほんとこれ麻酔効いてるのかってくらい、異物感。足なんかバタバタして息は止まるわ、涙は出るわ、ほんといつも魚釣りなんかやってる罰が当たったみたい。魚ほんとごめん。釣りはやめないけどね!
看護師さんは「鼻で吸って口で吐け」とか高度な指示をするのだが、こっちは口の意識でメモリ使い過ぎて鼻に呼吸しろと指示を出そうとしてもフリーズして動かないんですよ。その状況を観察する意識なんてわりと冷静なのに。ああ、これが動作性IQの低さなのか、つらい。
検査後、涎と涙でベチョベチョになり、限りなくノーメイクに近いすっぴんとなってしまったわたしに、看護師さんたちは気の毒そうに丁重に介助してくれた。なんというか、わたしは比較的ヘタな部類の患者だったのかもしれない。恥ずかしい!
それにしてもこれだけ苦しそうな人間を相手に粛々と検査しなきゃならんのだから医療従事者は本当にストレス耐性が求められるよなあ。

検査結果を元に診察を受けたところ、やはりエコーでなんか写っていた。「石かも?でも炎症ないから様子見ましょう」とのことであった。
よもや、子を宿す前に石を宿す人生になるとは、生まれた時にそんな説明はなかった。それにしても、神経が過敏になっているところにこいつがコロコロしていてなんとなく痛かったんだな、きっと。
あれだけ苦労した胃カメラの方は多少のポリープと炎症の後はあるものの、深刻な何とかは無いとのこと。一先ず安心である。最後にピロリ菌の呼気検査を受け、しめて本日のお会計7000円!まあ、ディズニーランドくらいは楽しめたので元は取ったな。

今日は休みを取ってよかった。
こんな気持ちのままじゃ、どこへもいけやしない〜。と、ユーミンは歌ったが、わたしはこんな気持ちをとにかく癒すためにサンドイッチを買って公園で池とかボートとか鴨を眺めながらこれを書いている。
そしたらカラスの奴、わしのサンドイッチを狙っている。トホホ〜〜!!

説明書の添付されていないアップルデバイスのように何の説明もないまま30年以上この体を使っているけど、ようやくクセがわかってきた。色々と機能の偏った不良品ではあるけれど、結構気に入って使っているよ。