サロン・ド銀舎利

言えぬなら記してしまえとりあえず

犬が歩いてぼた餅拾う

気まぐれに動き回ると良いことがある。

今日は夕方になっても調子が悪く、疑いや被害妄想がぐるぐる酷かったので、実家の母に電話をかけて、これから帰る旨を伝えた。こういう時は母親や祖母のディテールにこだわる割にオチのない話にこちらから時系列や前提条件への言及を交えて延々と聞き続けるのが一番脳にやさしいアトラクションだ。最終的に無茶な要求をしてくるか、こちらに結論を言わせて何かを押し付けようとしてくるのがわたしの普段の仕事相手の多数だが、幸い母も祖母も「喋りたい。聞いてほしい」だけなのでお茶の子さいさいだ。対価はあったかいごはんに高級な茶葉を丁寧に煎れたお茶。最高だ。わたしが帰れば実家の家族はみんな喜んでくれるし、誰もが幸せな素晴らしいアイディアである。せっかくの休みを一人で過ごし、終わらない不安や妄想とのシャドーボクシングに費やしては勿体無い。
手土産を何にしようか迷い、何気なく入った某TKハンズで、大好きなラブライブ!ステーショナリーグッズのフェアが開催されていた。このラブライブ!という作品、男性の大きなお友だちだけでなく、女子中高生が夢中になるのも頷けるのは、年頃の女の子が忌避する、女性性を弄ぶようなキモさが抑えられ、キャラクターの個性を引き出し最大限に可愛く描かれているからだ。主体的にがんばり、もっと可愛く、もっと輝きたいという前向きさをもったキャラクターたちに、感情移入しやすいのだろう。わたしの世代がセーラームーンに夢中になったのも、やはりかれらが悩みを抱えながらも主体的に動き、成長する可愛い女の子たちだったからだ。
かわいくなりたいという欲望は凄まじい。可愛さはネオテニーの一種だと漠然と思っている。可愛いものは大切だと思うように脳は出来ているから男も女ももっと可愛くなればお互いを大事にしてみんな幸せになれる、つまり「かわいいは正義」ってことだ。
さて、今回みたグッズはカスタマイズできる多色ボールペンの筒の部分だったのだが、アニメグッズというくくりで見れば特有の子供っぽさやダサさがなく、普通に使えるな、という印象をうけた。文具メーカーの商品開発というのはメインユーザーであるティーンの好みを知り尽くしているんなだあ、プロの仕事だなあとわくわくした。ちなみに、30オーバーの女史もほしいなとは思ったが、リフィルがフリクションでなかったので、だめでした。
そんなこんなで何も買わなかったのだが、偶然の嬉しい出会いがあり、少し心が癒された週末の夜だった。