サロン・ド銀舎利

言えぬなら記してしまえとりあえず

特別扱いしてやらん

体の特定の部位を神格化しないぞ運動。

 

みんな生殖器にかまいすぎだと思う。なんか、おれたちこんなに色々バラエティ豊かな器官を持って生まれてるのに、「東京はおれたちの風俗だー」とか「子宫あっためろ」とか、うるさいよってこと。調子にのるなよ!だいたい、生殖なんてオワコンなんですよ。もう、テクノロジーで代替できる時代がそこまで来てるのに、滅び行くものにアイデンティティを依存するとか、そんなナルシシズムは一人でやってろっつう話だ。性器は斜陽!以上!!

だいたい1回で1,2人しか産めないのに、大人一人が命がけとか、どんなクソ仕様だよ。ホモ・サピエンスまじカスすぎるだろ。残念ながらわたしはこの時代に生まれて来てしまったからクソ仕様を甘んじて受け入れるしかないけど(その機会はないかもしれないけど)、後の世の人には楽して子孫を残してもらいたいって本気で思うわ。苦労狂の物好きだけが自然分娩すればいいと思う。育児も家事も、定形作業はロボットがかわりにやってくれればいいと思う。わたしは脳が不自由で「手間がかかるほど愛着がわく」とかそういう感情があんまりないから、すんごい苦痛を強いられることがわかってて、積極的に子孫を残したいとか思わない。代わりに誰かやってくれるなら、そのほうが助かる。手間がかかるものはなるべく側におきたくない。どうせ飽きて興味なくなるって思う。逆に、ふかふかした感じのかわいいロボットが家事をやってくれて、家に帰るとキュッとハグしてくれる時代が早く来ないかなっていつも思っている。

だからその、やれ、なんとか工学だ、やれ、膣トレだ、生殖器のケアにやたら手間をかける風潮はいけすかない。逆に、手間がかかるから好きになるのか?少なくともおれは親に手間をかけさせるたびに殴られたぞ。もう、わけがわからないよ。

 

わたしは脳が弱いので、ついつい脳のわがままを優先して聞いてしまいがちだ。脳はなんでもかんでも声高に主張してくるので始末が悪いが、近頃はもう自動生成される言葉の部分はほとんど無視してる。どうせ脳なんか無視してもせいぜい鬱になって思考と活動をボイコットさせるくらいで、呼吸や心臓を止める力はない。鬱でもお腹は減るしうんこは出る。正直今まで脳みそを甘やかして調子に乗らせすぎた。脳など単独ではおそるるに足らんのだ。

以前は脳をごまかすために過食しては胃腸に負担を押し付け、暴飲しては肝臓をいじめていたが、今はダイエット中ということもあり、胃腸も肝臓もメンテナンスモードで楽になっている。うるさい脳の影響がもろに出てしまうので、なるべく気にかけてあげなければならない。これまで我慢させ続けて申し訳なかったと反省している。

心臓や肺はあまり丈夫ではないが、いままで大きなトラブルもなく、休まず働いてくれている。こいつらが休むと死ぬので、怒らせないようにたまに瞑想でもして深呼吸して整えなくては。もちろんニコチンは副流煙も極力排除だ。

骨格と筋肉は器用によく動くし丈夫で怪我もしない優等生なので、わたしはかれらにとても信頼を置いている。すこしダイエット中で苦労をかけているが、体重が減れば足腰の負担も減るので、また存分に頑張ってもらいたい。

リンパと皮膚は脳と結託して最近うるさくなってきたが、胃腸の機嫌が治るまで様子をみてみたい。

生殖器はたまにかまってやる程度で、毎月持ち場を守ってくれている。ぜんぜん手間がかからない。いるのかいないのかわからないほど存在感がない。

 

日常生活は体の各器官のゴキゲンをとる「ときメモ」だ。詩織とばかりデートしていれば、優美や紐緒さんに爆弾がつき、誰かの爆弾が破裂すれば全員から総スカンだ。虹野さんみたいにおおらかな子もいれば、鏡さんみたいに気位の高い子もいる。たまに好雄のところで健診をしながら、みんなとうまくやっていくゲームなのだ。いずれ誰かが爆発して総スカンをくらう結末がわかっているクソゲーなのは非常に残念だが。

 

生殖器にこだわって、そのご機嫌取りに奔走する人間にとってのそれは、わたしにとっての脳みたいなものなのかな。わたしは自分の脳が周囲の人間に迷惑をかける類の出力をしがちなことに自覚的だから、脳がうるさい時は極力、他人とは形骸化された接触に留めるようにしている。また、その出力にさほどダメージを受けないような他人とだけ接触するようにしている。

あの、ナンパ即とか恋愛おじさんとかそういうのって、他人に自分の生殖器の世話をさせる行為だと思うんだけど、世の慈悲深い人間の一部は、他人の内臓の世話を無償でやるってことなのか?それならお金をやりとりした方がみんな幸せだと思うんだけど、どうなんでしょうかね?世話してもらう方は、他人に無償で世話させなければたちゆかない臓器についてどう思ってるんだろう。

生殖器以外の器官に関して、他人のケアを必要とする人は、多分それに対して過度と思えるくらいに自覚的だと思うんですよ、この国では特に。それを言語化して相手に説明して依頼と交渉をすることが社会から求められるし、社会の方も、依頼には善意で対応するのが望ましいという規範がある。何も、障がいをもっているとかじゃなくても、下痢してるから会社を休ませてくださいというのは一応すまなそうに言うのが無難だし、それに対して周囲はかたちだけでも「お大事に」と言うだろう。それが礼儀だ。その程度の作法が納得いかないなら一生ママに面倒みてもらっとけよ。

こと、生殖器のケアについてはどうか。大多数の人はちゃんと対価を払って風俗とかでケアをうけてるけど、恋愛おじさんとか、ナンパ師とか、なんなの。おごってくれた飯に対しては「飯につきあってくだらねえ自慢話を聞く」という対価はもう支払ったんだから、おまえの内臓のことまではしらんよ。そんなの契約内容に入ってないよ。礼儀がなってないよ。

ごく親しい相手の内臓の世話なら無償でするし、してもらうけど、そうでなければ「してもらえて当然」ではないよね。何度でもいうが、おまえの内臓の事情などこちらにとってはどうでもいいのだよ。わきまえろよ。

 

あと、子宮あっためろ運動みたいなやつも、すげえ大きなお世話。

おまえはキチガイだから精神病院に行けとかプリントアウトとかよく知らない人から言われたら「えええ~~??」ってなるじゃないですか。黄疸でてる人にいきなり「あんた癌なんすか?」とか聞かないよね。控えめに「最近調子どうですか?」とかジャブから入るのが作法ってもんだろう。子宮温めれば美容にもいいしほかの全部が治りますとかあなたが借金まみれの男とばかり付き合ってしまうのは子宮が弛んでるからとか、ねーから。じゃあ子宮ない人はキレイになれないんすか?それカルーセル麻紀の前でも同じこと言えんの?外からだって女性ホルモンを注入できる時代なんですよ、現代は。

 

生殖器と脳が結託して主張してきたら、ほんとに目も当てられないとおもう。性欲は本能だからしょうがないとかまじ馬鹿も休み休み言えとしか。いつも昼の12時まで無視される胃の本能はどこいった。それに直腸の本能が暴走すればきみたち恥ずかしがるんでしょうが。恋なんてべつに偉くない。本能の暴走なんて迷惑だ。

おまえもおれもいろいろややこしい爆弾を抱えて生きているのはわかるが、それは他人には関係ないことだし、それを他人にケアしてもらって当たり前ではないんだよね。しっかり依頼と交渉をしろよ。親しい間柄に甘えてしまう時も、せめて「甘えさせてもらったなあ」という認識をしておいたほうがみんな色々幸せだろう。

 

とりあえず、なにがいいたいかというと、脳みそもちんこもまんこも調子のりすぎ。おまえらだけ特別とか勘違いすんなよ。礼儀をわきまえろ!心臓に謝れ!