サロン・ド銀舎利

言えぬなら記してしまえとりあえず

サインコサインありがとう

モノを作る仕事をしている。サインコサインを教わったおかげで飯が食えてるので、ご老人様方におかれましてはどうか今後も女性に理系教育を施していただきたい。さて、モノを作る仕事は同時に、壊す仕事でもある。これらは一見、相反することに思える。でも…

先生なんて呼ばないで

どこに行ってもすぐ「先生」付けで呼ばれる。主に年上の男性からだ。現在はそう呼ばれても仕方ない立場なのだが、若い時からそう呼ばれることが多い。何故かはよく分かっている。態度がでかくて、説明が長いからだ。そして「先生」とはそれに対する忌避感の…

二十歳のお酒のプレゼント

今週のお題「20歳」 20歳の誕生日は、当時付き合っていた人から「20年モノ」のワインをいただいたのが今でも忘れられない思い出です。 とだけいうと、なんだかバブル時代のイケイケギャルと不倫おじさんのようなエピソードですが、違います。 田舎の学生同士…

省エネタイプのあるきかた

今週のお題「今の仕事を選んだ理由」 ホッテントリでちょっと話題になっている「美大進学」について少し触れます。 わたしは、「そこそこ絵のうまい子供」でした。父親が趣味で油絵を描いていたので、スケッチについていったり美術館に連れて行ってもらった…

小鳥を拾ったときのこと

スズメでもカラスでもない鳥について生活圏で意識したのは初めてだった。見たことのない小鳥が落ちていたのだ。 給食を食べ終えたあと、掃除が終われば昼休みだ。「休み時間」なのにのんびり休憩できず、外で運動させられるシステムについて抱く感情の名前が…

旅先で元旦風景つまみ食い

今週のお題「年末年始の風景」 あけましておめでとうございます。今年もオンラインはマイペースにやっていきたいと思います。 年末年始は旅行で関東地方へ足を運びました。雇われの身につき、世間の長期休みに重ねて旅行せざるをえないのは諸々のトレードオ…

理系女のひとりごと

synodos.jp 中学2年の段階では理系に進むことを決めていた女として何か書けないかと思って書く。個人的な経験に基づく雑感です。根拠とかデータとかは一つもありません。 1990年代後半。当時は就職氷河期と呼ばれる大不況時代。大卒でも就職できない若者のニ…

いでよ新たな武勇伝

毎冬恒例の会社辞めたい病の症状がなんとか寛解した。 人生において大事なことと定義されるような活動は仕事だけというわたしにとって、会社辞めたいはすなわちぜんぶやめたいである。冬になり心の調子が悪くなることに起因すると考えている。北の方の人にあ…

秘密と生きる

心に詰まった石ころを力任せに砕いてしまった 心の詰まりは通ったが、秘密を一つつくってしまった 「社交辞令を言うように、大人は秘密と付き合うもんさ」 わたしの中のカサノヴァがすまして囁く、頭の奥に 秘密はどんどん増えていく。管理できない付き合い…

手に職がほしけりゃ愛をあきらめな

稼げないよりは稼げたほうがいい。 なにも、年収◯千万円とか、そんなレベルの話ではない。 自分と、大人がもう一人くらい身を寄せあって慎ましく暮らせる程度の稼ぎだ。都会と田舎ではその額は随分と違うが、「まあ、働けばどうにかなる」という心の自信は、…

それでいいのかラブライブ

「ラブライブ」というアニメの1作目(全13話)を観た。 女子校に通う高校生たち9人が「アイドル部」の活動を通じ、努力で技術を磨き、友情を育み、目的を達成するまでの道のりを描いた青春ドラマだ。小さな摩擦はあるがそれぞれが個性を尊重し合い、終始、人…

インターネットで神頼み

理想の生活を本気で考えると近頃いつも同じ答えが出る。 身の回りの世話をしてくれるロボットと何か哺乳類の愛玩動物との、1人と1体と1匹暮らし。普段は半日寝て、本を呼んだりゲームやネットをして、たまに旅行をして、5年くらいで飽きて死ぬのが理想だ。 …

伝家の宝刀・無難相槌

えらい人が行くべき会合に、えらくないわたしと横の部署のえらくないAとで参加することになった。 わたしはこの会社ではこれからも絶対えらくなれないことがわかっている。わがままだからだ。なので、今回のえらい人の会は物見遊山的に無責任に楽しみにして…

難しいなにかと雨の日曜日

フロントガラスが滲む。外はあんなに明るいのに。 わたしの目にはどうしてワイパーがついてないのだろう。 大声で木村カエラのヒット曲を歌いながら日曜の湘南の海へ一人ドライブ、仕事に向かうのだ。 9月に入る頃には、もうすっかりわたしのメインコンピュ…

深い海から見上げた色は

「トイレ行ってきます!」と彼女は言ったのだ。 瞳は丸く、顎が小さい。細いくせ毛がかった髪は前髪もアップにし、形の良いたまご型の輪郭には薄化粧をしている。胴は薄いが肩はしっかり幅があり、洋服を着せるためのハンガーのような華奢な体は普段のカジュ…

11月を忘れない

11月がきらい。 初雪は溶け、根雪になる最初の雪が振りそうで振らない時期、朝晩の冷え込みは一層増し、街路樹は裸になり、交差点はよそよそしく黙りこむ。見知らぬお客が我が家に忍び込み、家族を連れて遠く彼岸へ行ってしまう。 祖母が亡くなって丸7年、愛…

素敵になった夜と旅

今週のお題「今年買って良かったモノ」 ロボット掃除機とタブレット端末 わたしにはすてきな友だちがいる。今は遠くに住んでいるが、高校の時からずっと憧れの女性だ。営業のプロだ。営業のプロということは人から憧れられる、信頼される、好かれるプロだ。 …

世界をうまく考えられない

辺境の島国で生まれ育ったわたしには、世界のことをうまく考えられない。ユーラシア大陸とアフリカ大陸北部を中心とした1万年程度の歴史の流れは知識として知っているが、太平洋がそこに登場するのはせいぜい最後の250年だ。 辺境の島国のさらに辺境の島で生…

けんせつ小町、だれのこと?

女でもなれる何かになりたいと思いたかったが思えなかった。 ふつうだと女にはなれないはずの何かになってしまった。そういうものに近頃世間は「◯◯女子」というラベルを貼るそうな。 大学の進路指導の担当は、男子はゼネコンへいけ、女子は公務員になれと言…

愛想よく出来ない晩もあるんです

一人でラーメン食ってたら知らん奴に絡まれた! 言い換えると、一人でラーメン屋で夕飯を食べていたらわたしの後に入店し、隣の席に座った初老の男性に何度も話しかけられた。 わたしは人見知りである。この、パッケージ化された「人見知り」という言葉を分…

さよならで自由になれることもある

仕入先を変えようとしている。 同じメーカーの別の支店経由にしようとしている。 メーカーの担当者は50代男性、これまでそんなに結果にこだわって仕事をしてこなかったのでうちみたいな弱小会社の担当をやらされているのだと思う。 その担当者がミスをした。…

かさぶたを白く覆った雪ダルマ

更新前の古いバージョンの自分に引き戻される苦行、それが同窓会だ。 大勢が集まれば、当時の振る舞いを期待される。それは明言されるようなものではないが、おもむろにさされた指先の方向を無意識に向いてしまうような感覚で自然に促される。苦い挫折をいく…

私の変わったこと、変わらないこと

「4年間で変わったこと、変わらないこと」 11月末で今の仕事を本格的にはじめて丸4年になる。 仕事内容については詳しくは書けないが、おおまかに業界で言えば通信という分類になるのだろうが、その中でほんとうに枝葉の設計の真似事のようなことを生業とし…

特別扱いしてやらん

体の特定の部位を神格化しないぞ運動。 みんな生殖器にかまいすぎだと思う。なんか、おれたちこんなに色々バラエティ豊かな器官を持って生まれてるのに、「東京はおれたちの風俗だー」とか「子宫あっためろ」とか、うるさいよってこと。調子にのるなよ!だい…

かっこいい文具といえばドイツでしょ

今週のお題「愛用しているもの」 0.5mmのHBのシャープペンを使っている人は今すぐ0.7mmに買い替えて、Bか2Bにしなさいよ。 ステッドラーのシャープペン0.7mm ドイツのブランドですが、日本製です。タイトル詐欺です。 ステッドラー シャープペン シルバーシ…

不条理と頭上に広がる無彩色

ここは最低限日本人が読んで意味の通る文章で、言葉に余剰物を巻き込まぬように用心して綴っている。つもりだ。 ただ、日本人一般の脳の作りと、自分のそれがかけ離れているのは30余年かけてうっすらわかってきているので、用心して綴ったものがねらい通り読…

イージーモードのエブリデイ

「今の自分がイケてないから同窓会に行きたくない」 「他人のものさしで測ってもしょうがないでしょ」 適当に「いや、きみはイケてるよ」とか言わないの、いいね。 「無神経な発言で誰かを傷つけないか心配だ」 「それは気をつけなさい」 不安の内容を吐き出…

秋冷に怒りのやり場をもてあます

善人の顔をした人間を殴りたい。物心ついたころにはそう思っていた。アンパンマンが大嫌いだった。 善を押し付けるな。それは毒だ。 「悪い姉」という強烈なレッテルのもとに育った。「悪い姉」は年少者に分け与えることをしない。大事な弱いものを傷つける…

率直に言ってくれなきゃわからない

わたしは、好きなタイプを聞かれたら「わたしの言うことをよく聞くひと」とこたえる。あなたの言うことだってよく聞くわ。ただ、わたしの言うことも よく聞いてほしいってこと。 その回答を茶化したり、呆れたりする人がいるけど、「聞き上手が好き」の接頭…

よくわからないがなんかちがう

なんかちがう よくわからないがなんかちがう 不安を感じるしきい値か とりうる選択肢の数か 嘘を嘘だとする精度 言葉の定義の厳密さ 無線装置の周波数 マザーボードのクロック数 ネットワークのプロトコル アッテネータの減衰量 ちがいを説明したくても 比較…